日本人はお金持ちになれないの?
私は若い頃から不思議に思っていたことがあります。そのことについて、自分なりの答えにたどり着いたのは随分とあとになってからのことですが。
それは何かというと、海外旅行に行くと、この時とばかりに会社の同僚や知人家族等に山のようにお土産を買う日本人の姿を見かけました一方で、アメリカやヨーロッパ諸国の人たちは、のんびりと時間が流れるのを楽しんでいるように見えたのです。そう、楽しみ方がまるで違う!
最初は国民性の違いかな?と思っていたのですが、歳を重ねるごとにその見方が変わってきました。
日本人は毎日あくせく勤勉に働き、その中から貯金をし、やっと取れた休みを利用して旅行に行くため、そりゃあこの時とばかりに買い物をして、時間の許す限り楽しもうとしますよね。
対照的に、特にアメリカ人は、時間もお金もたっぷりあるのか?と思うくらい年老いた夫婦が優雅にバカンスを楽しみ、ビーチやプールサイドで寝そべり、朝早くからジョギングなどをしている姿を目にしたのです。
私には、日本人は、非日常をこの時とばかりに楽しみ、米国人は日常の延長のように映っていたのです。皆さんはこのような光景を見かけたことはありませんか?
この不思議さをどのように感じますか?日本人だから仕方がない?老後2,000万円問題があるからそんな悠長なことを言っていられない!
あるいは、自分には縁がない話!と思っていますか?
私は実に欲張りな人間です。仕事はするけれども(仕方なく)、空いた時間は自分のために楽しいことに使いたいし、老後はゆったりとした、お金の心配をしない暮らしをしたいと考えています。
それではどうすればアメリカ人のように老後を豊かに暮らせるのでしょうか?
日本人と米国人の決定的な違いとは?
それでは避けて通れない日本と米国の違いから少し書いておくことにします。
過去20年間で、日本の家計全体の金融資産は約1.5倍になりました。
それに対してアメリカの家計の金融資産は、同時期に、なんと3倍以上に増えています。
同じ時代を生きてきた私たち日本人とアメリカ人との間で、いったい、なぜこのような違いが生まれたのでしょうか。
また、私たちもアメリカ人のように資産を増やすためには、何をしたらよいのでしょうか。
今さかんに「働き方改革」と言われていますが、それだけで豊かな生活が保障されるのでしょうか。根底にあるのは教育の違いでしょうか。
多くの日本人は、資金の配分やリスク管理の方法、人生に複利を取り入れて資産を作る方法や、配当収入を作る方法など投資の基本的なことも知りません。
知らないというよりも学習してきていません。教えられていないのです。
投資の習慣もなければ、家族で投資の話をすることもない。
それどころか、多くの人は投資やお金という言葉に、怖いとかギャンブルだとか、あるいは「嫌らしい」だとか、そういったマイナスのイメージを持ってしまっています。そのため多くの日本人は地道に働いて、コツコツ貯金をして、それでも将来が不安というような状況に陥ってしまっています。最悪、一所懸命貯めたお金をよくわからずに、投資信託に丸投げしてしまい損をしてしまう、というようなことも少なくありません。
このような現実を踏まえて、私は米国株投資を始めました。
次回は、日本株と米国株の違いについて書いていこうと思います。
日本株×米国株のススメ
先週末の米国の株価下落を受けて、日本株は本日値を下げました。アメリカでのコロナの感染拡大が止まらず、先行き見通しが立たないとの見方でしょうか。私は若い時から(大学生の頃)から、日本株の取り引きをしていましたが、3年くらい前にある書籍に書かれている内容に衝撃を受けて、米国株取引に乗り出しました。
ここからは引用文です。
皆さんはこんな話を知っていますか? 2014年6月米国バーモント州に住むドナルド・リードという名のどこにでもいる普通のお爺さんが92歳で亡くなったことが全米ニュースにまで取り上げられました。リード氏はどこにでもいる普通のお爺さんでしたが、彼が少し普通と違ったのは、いつもボロボロの服を着ていて、たびたびホームレスに間違われたことと、愛読書が投資新聞「ウォールストリートジャーナル」だったということです。そして全米を驚かせたのは、彼には約10億円もの資産があったということです。
彼は、第二次世界大戦から帰国すると25年間ガソリンスタンドで働き、その後は大手百貨店の用務員として働く典型的な労働者階級の人でした。そんな彼がお金持ちになれたのは宝くじに大当たりしたわけでも両親から莫大な遺産を引き継いだからでもなく、37歳から始めた米国株投資によるものだったのです。
リード氏は37歳で株式投資を始めると、最初にP&Eコーポレーションという電力・ガス会社の株を買いました。投資額は現在価値に直すと、約125万円くらいですが、ガソリンスタンドで働いていたことを考えれば収入はそれほど高くないはずです。しかし彼は倹約に努めることで投資資金を捻出し最終的には95銘柄に投資しました。
保有銘柄は大手銀行のウェルズファーゴや日用品大手のプロクター&ギャンブル等どれも消費者になじみのあるブランドを所有している大企業の株ばかりで、かつ配当を出しているという共通点がありました。投資スタイルは1度買ったら売らないという典型的なバイ&ホールドで配当再投資することで資産の最大化を目指したものです。
個人投資家の中には、積立投資するには遅いとか収入が少ないから積立投資できないとか言い訳ばかりする人がいますが、リード氏のように大型安定配当株に投資して配当再投資するだけで誰でもお金持ちになれるので、始めるのに遅すぎるなんてことはありませんよね
何に投資すべきか、その答えが株式であるならば、どうして日本人は株式投資をしてお金持ちになることができなかったのでしょうか。これは1989年にバブルが崩壊して以降、日本株が長期で低迷し続けてきたからです。じゃあどうして当時の日本人は米国株をはじめとした外国株に投資しなかったのかということが重要なのです。
当時の日本はネット証券などがありませんでした。ですから外国株投資へのアクセスが限られていたわけです。そのため多くの個人投資家は日本株で短期投資するかしか選択肢がなかったのです。
そもそも短期投資はゼロサムゲームと言って、儲けと損失の合計が0にあるゲームのことを言います。例えば1ドルを賭けてじゃんけんをした場合、一方は1ドル儲けて片方は1ドル損をします。この合計は0になるのでゼロサムゲームです。ただし短期投資はこれに手数料がかかるのでマイナスサムゲームとなり、やればやるほど損をするゲームになっています。したがって短期投資をしても多くの個人投資家は損をするだけなのです。
一方で長期投資はプラスサムゲームとなり得ます。例えば1株1ドルの価値があると言われている企業の株が1ドルで売られていたとします。その企業の業績が順調に拡大した結果数年後には誰もが1株3ドルの価値があると評価する企業に成長したとすると当初1ドルでこの会社の株に投資していた投資家全員が3倍のリターンを手にしたことになるわけです。このように株価は企業の業績が拡大し続ける限り上昇する傾向があるので長期投資はプラスサムゲームと言われるのです。
日本は96年以降労働生産人口が低迷し続け、企業は過剰な設備投資と事業の縮小が後手に回ったことから業績が悪化し続けました。また割高だったバリュエーションが経過したことも株価を押し下げる原因となりました。
そのため日本人は短期投資でも長期投資でも投資で損をしてきたので、多くの日本人は株式投資に悪いイメージしか持っていないのです。
これらのことを書籍で読んだとき以来、私は短期で日本株、長期で米国株を保有するようになりました。